▽後書き

 「仮初めにも恋」お読みくださりありがとうございます。今回はページを一つ設置して後書きというものを書いてみました。何年後かに読み返した時に自分はこういう気持ちでこの物語を書いたんだなあというのがわかるような一種の記録の様なもののためにです。なんもかんも自らのために書いてます。これぞまさに自己満足サイト。
 このお話の書き始めたのは「とにかく不破夢が書きたい!」と思ったからで、2008年頃に第一話を書きあげました。それから3年後の2011年に完結したわけですが、実をいいますとプロットというものをその当時は使用しておらずいつも行き当たりばったりで書いていたんですねこれがまた。初めてプロットというものを使用しようと心がけたのが「twinkle」の書き直しの最中で、「ナイトメアの嘆き」とかは途中からプロットを入れ始めました。設定自体は元々考えていたんですが、より細かく話数を振ったり話の内容を練るようになったのは本当に「twinkle」書き直しの辺りからです。そうして、どんどんこの「仮初めにも恋」もプロットをつくって一から書き直したくなり、昨年の半ばくらいからプロットに取り組み始めてようやく書き上げました。プロットのありなしで話の展開についてより深く考えるようになったりして面白いなあとも感じてました。実は書き直しでしたが一からプロット使って完結させたのはこれが初めてだったりします。今後はプロットをきちんと仕込んで展開に余裕をもたせるような感覚で書いていけたらなと思いました。

 内容に関しましては、当初の「じりじり青春恋愛」というテーマから離れた「くのたまの恋」を書いてみようと心がけていました。しかし結論が安易であるということと、話の展開が解りやす過ぎてなんとも。そして「冷静な性格の女の子」を目指したんですが、自分がもともとそういう感じではないので上手く表現しきれてないなと。テーマとしては、この話にはくのいちであるならしなければならないあろう「色の実習」を内容に盛り込みたかったことと、一途な不破さんを書きたかったということが挙げられます。その辺りの目標は一応達成できたと思ってます。鉢屋と立花先輩を悪者&話のスパイスにしたがるのはもはや個人的な性質だと感じました。立花との実習の部分は書くのがとても難しかったです。扇情的とかなにそれ美味しいの。

 肝心の不破さんに関しては、どちらかというとSな彼よりも純粋で暖かい不破さんを目指したつもりではあります。もっと不破は女の子の扱いが上手そうとは思ったので本編にそれがあまり出しきれなかったことに力の無さを感じます。ナイトメアの不破さんも基本はそんな感じなのでそっちで出し切りたいなと思いました。そして例にもれず鉢屋は不破さん大好きっていう。もう超大好きっていう。

 この話で個人的に表したかったのは「諦めて逃げてしまうよりも、一度戦ってみてからでよくないか」と不破さんが言っていた通り「嫉妬するくらい好きなら、一緒に乗り越えられるかもしれないよ」ということです。任務として肌を重ねるならそりゃ浮気じゃないですしね。心はその人にあるんだから。忍者ものっていうかにんたまに限らずに昔からナルトとか大好きでよくこのテーマを目にしておりまして、ずっと書きたかったので書けて満足です。まだまだ色々とにんたまでもテニスでも書きたい連載が沢山あるので今回の経験を活かしつつまた書き進めていければいいなと思います。ここまで読んで下さったみなさま、ありがとうございました!


    
110331 冬山沙希